小諸のシャルドネで最高のスパークリングワインをつくる
マンズワインの取り組み

「小諸のシャルドネで最高のスパークリングワインをつくること」

「日本の風土で、世界の銘醸ワインと肩を並べるプレミアムワインをつくる」
ソラリスにおけるこのテーマは、もちろんスパークリングワインづくりにおいても例外ではありません。私たちマンズワインは1990年代からびん内二次発酵でのスパークリングワインづくりに取り組んできました。
この経験、技術の積み上げを経て、最高の品質のスパークリングワインをつくるために、考えられることは全て実行しています。「味わいに厚みをもたらしてくれる熟成期間を長くとる」、「直前にデゴルジュマン(澱引き)をする」等々、「言うは易し」を一つ一つ実現しているのが、
「ソラリス 千曲川 シャルドネ 樽仕込 メトッド・トラディッショネル ブリュット・ナチュール」
「ソラリス 千曲川 シャルドネ メトッド・トラディッショネル ブリュット・ナチュール」です。
さらに、ここ小諸の地が生み出すシャルドネは、その特徴からドサージュ(甘味を加えること)をしない方がよりピュアな味わいを楽しめると考えてブリュット・ナチュール(ノン・ドサージュ)で仕上げました。
品質向上のための妥協のないワインづくり、私たちの取り組みをスパークリングワインでも感じていただけたら嬉しいです。

小諸ワイナリー 栽培・醸造責任者
西畑 徹平

手間・時間を惜しまないスパークリングワインづくり

メトッド・トラディッショネルへの挑戦の歴史

商品名の「メトッド・トラディッショネル」とは伝統的な方式という意味で、スパークリングワインの代表格、シャンパーニュと同様のびん内二次発酵の方式のことを言います。
大変手間のかかるこの方式、マンズワインは1990年代から挑戦を始めています。「当時はびん口を凍らせずにデゴルジュマンして、下手をすると半分くらいこぼれて、ということもあった(現社長 島崎 大)」そんな挑戦と失敗を繰り返しながら経験、技術を積み上げてきました。
2000年代に入ってもびん内での二次発酵が思うように進まなかったり、ルミアージュ(澱をびん口に集める作業)もすべて手作業で行うなど、様々な困難を乗り越え、2008年に「ソラリス 信州 シャルドネ メトッド・トラディッショネル・ブリュット 2005」がリリースされました。

味わいに厚みをもたらす熟成期間

びん内二次発酵での特徴の一つが旨味です。発酵を終えた酵母が澱となって沈殿した後、びんの中でワインと一緒に熟成する事で、酵母由来の旨味がワインに溶け込んで複雑な味わいになります。
ソラリスでは、できるだけ長い期間熟成させることに取り組んでおり、それがこのワインの大きな特徴となっています。シャンパーニュではこの熟成期間が法律で定められていて、ノン・ヴィンテージ・シャンパーニュで15ヶ月以上、「ミレジメ」と呼ばれる、作柄が良かった年のみのぶどうで造るヴィンテージ・シャンパーニュは36ヶ月以上とされています。
「ソラリス 千曲川 シャルドネ 樽仕込 メトッド・トラディッショネル ブリュット・ナチュール2009」は50ヶ月以上の熟成期間を経て、デゴルジュマンされ出荷されています。「品質が上がるなら待つ」単純なようで難しさもあることにも妥協せず取り組んでいます。

びん詰めから出荷までの熟成時間
※シャンパーニュは法定熟成期間
ノン・ヴィンテージ・シャンパーニュ 15ヶ月以上
ヴィンテージ・シャンパーニュ 36ヶ月以上
ソラリス 千曲川 シャルドネ 樽仕込
メトッド・トラディッショネル
ブリュット・ナチュール2019
50ヶ月以上
(ジャイロパレットでルミアージュ中)

デゴルジュマン後、できるだけ早く楽しんでいただくために

スパークリングワインは、デゴルジュマン(澱引き)した時から、それまでの還元的熟成が酸化的熟成に移り変わります。その後コルクで栓をするので、長く置いておくと炭酸ガスが少しずつ抜けてしまいます。
「デゴルジュマンしたらすぐ楽しんでほしい」このことを実現するために、ソラリスではデゴルジュマンを一度に行わず、出荷状況に応じてその都度行っています。時には約100~200本程度という極少数の単位で、1本ずつ手作業で行います。この1本ずつの作業により、稀に見つかる泡の弱いボトル、異常のあるボトルはここで排除します。
また、西畑からは「デゴルジュマン日はびんに印字しているので、デゴルジュマン日による違いを楽しむこともできます」との提案も。かなり玄人向けの楽しみ方ですが、ご興味がある方は是非お試しください。

小諸のシャルドネの特徴を活かしたピュアなワインづくり

シャルドネが栽培されている長野県小諸市は、冷涼な気候、少ない降雨量と十分な日照時間、はっきりとした昼夜の寒暖差がある、ぶどう栽培に非常に適した場所です。
そんな理想的な環境下でゆっくりとぶどうが糖度を高めていくので、程よい成熟度と爽やかな酸を併せ持ったシャルドネを収穫することができています。
シャンパーニュでは、高めの酸味とのバランスを取ることを主な目的としてデゴルジュマンを行う際にドザージュと呼ばれる甘味の調整を行うことが一般的です。小諸ワイナリー周辺で育つシャルドネの酸は、シャンパーニュほど高くありませんので、ドサージュしない方がより強くこの土地の特徴(テロワール)を感じていただけると考えて、ブリュット・ナチュール(ノン・ドサージュ)で仕上げています。
甘みを加えなくてもバランスがとれる、小諸のシャルドネならではの味わいをお楽しみください。

(収穫したスパークリングワイン用のシャルドネ。光が当たって中の種が透けて見える)