ワインの豆知識

「酵母の泡 甲州SEC」がつなぐ、前菜からデザートまで

「酵母の泡 甲州SEC」がつなぐ、前菜からデザートまで

自宅でワインを楽しむ時間は、特別なものではなく日常の一部になりつつあります。仕事終わりや週末の夜、グラスを傾けながら食事を味わうひとときは、暮らしに静かな豊かさをもたらしてくれます。

そんな食卓では多くの場合、1本のワインとともに食事が進んでいきます。今回ご紹介するのは、前菜からデザートまでをやさしくつなぐ1本。穏やかで軽やか、日本の食卓にすっと馴染むスパークリングワインです。

開栓したら保存が難しいスパークリングワインならではの、1本のワインに食事を合わせていくご提案です。

食卓にやさしく寄り添うスパークリング「酵母の泡 甲州SEC」

今回の主役となるのは、「酵母の泡 甲州SEC」。日本固有のぶどう品種・甲州から生まれたスパークリングワインです。山梨県産甲州を100%使用し、国内では比較的珍しい「シャルマ方式」によって造られています。

シャルマ方式は、ぶどう本来のフレッシュな果実香や爽やかさを引き出しやすいのが特徴。そのため「酵母の泡 甲州SEC」には、甲州種ならではの繊細な果実味と、軽やかでやさしい泡立ちが美しく表現されています。

味わいはやや辛口(SEC)。程よい甘みと爽やかな酸味のバランスが取れており、グレープフルーツやみかんなどの柑橘、白桃や梨を思わせる穏やかな果実香が感じられます。

透明感のある色調とグラスの中で静かに立ち上がる泡は視覚的にも上品で、食卓にさりげない華やかさを添えてくれます。口当たりはソフトで、泡はなめらか。柑橘の皮や青りんごを思わせる清潔感のある香りが、後味として残ります。

ほのかな旨みを残しながら、後味はすっと軽やかに消えていく。そのはかない余韻が、自然と次のひと口を誘います。強く主張しすぎることなく、料理と料理のあいだをなめらかにつなぎ、食事全体を包み込むような懐の深さ。国産ぶどうならではの、穏やかで親しみやすいスパークリングワインです。

季節野菜や魚介の前菜で食事のはじまりを軽やかに

食事のスタートには、季節野菜や魚介を使った軽やかな前菜がおすすめです。

野菜や白身魚、エビ、ホタテなどを美しく組み合わせたテリーヌはもちろん、素材感を生かしたサラダ仕立てでも、食卓に彩りと期待感をもたらしてくれます。

ひと口ごとに異なる素材の表情が現れ、味わいに自然なリズムが生まれるのも、このタイプの前菜ならではの魅力。「酵母の泡 甲州SEC」の繊細な泡は、そうした味の移ろいをやさしく受け止め、口の中を整えながら次のひと口へと心地よくつないでくれます。

柑橘の酸味をきかせたドレッシングや、ハーブの香り、ほのかな苦味を生かした味付けが特に好相性。途中で好みのオリーブオイルを少量たらしたり、レモンやすだちを軽く絞ったりして、味に変化をつけるのもおすすめです。軽いアクセントとして辛子を添えれば、甲州の穏やかな旨みがより引き立つでしょう。

どんな料理にも言えることですが、ペアリングの際に「少し合いにくい」と感じたら、調味料やスパイスで味のバランスを調整してみるのもひとつの楽しみ方。ワインと料理の距離が、ぐっと縮まるはずです。

食事の中心に軽快さを添える揚げ物

食事が進むにつれ、少しコクのある料理がほしくなってきます。そこで合わせたいのが、フリットや天ぷらなどの軽やかな揚げ物です。季節の野菜やきのこ、白身魚、エビなどは、「酵母の泡 甲州SEC」と特に相性の良い素材。肉を使う場合は、鶏のささみや豚のヒレ肉など、脂の控えめな部位を選ぶと、ワインの軽快さが活きます。 

揚げ物の油分を、スパークリングワインの泡がすっと受け止め、後味を驚くほどさっぱりと整えてくれます。

衣のクリスピーな食感と、泡のやさしい刺激が重なり、食べ進めても重たさを感じさせません。味付けは、まずはレモンや塩だけでシンプルに。タルタルソースや粒マスタードを添えれば、味に奥行きが生まれ、ワインとの対話もより豊かなものになります。

和と洋をつなぐ手まり寿司・巻き寿司

「酵母の泡 甲州SEC」は、穏やかな酸と控えめな香り、軽やかな泡立ちによって、寿司の繊細さを損なうことなく寄り添います。

特におすすめなのは、スモークサーモン、クリームチーズ、アボカドなど洋風の具材に、わさびや大葉、三つ葉、ねぎといった和の香味野菜を組み合わせた手まり寿司や巻き寿司。見た目にも華やかで、食卓全体がぱっと明るくなります。

一般的に醤油は白ワインと合わせにくいとされますが、酸のまろやかな甲州種は、醤油の香りや旨味とも比較的調和します。また、すだちやゆずの搾り汁に塩を加えたものを醤油代わりに使えば、甲州の繊細な味わいがより引き立ちます。

フレッシュフルーツやドライフルーツのデザートで余韻を楽しむ締めくくり

いよいよデザート。スイーツには甘口ワインを合わせるのが定番ですが、フルーツを主役にすれば、ワインを替える必要はありません。「酵母の泡 甲州SEC」は、辛口でありながら口当たりはやわらかく、ふとした瞬間に感じる穏やかな甘みのニュアンスが印象的。爽やかな酸と軽やかな泡が、フルーツ本来の甘さやみずみずしさに寄り添い、食事の流れを自然に保ってくれます。

フレッシュフルーツなら、和梨、桃、シャインマスカット、グレープフルーツ。秋には柿もおすすめです。生ハムを少量添えれば、甘みと塩味のコントラストが生まれ、デザートでありながら前菜のようなひと皿にもなります。

ドライフルーツなら、アプリコット、オレンジピール、いちじくがおすすめ。ナッツやチーズと組み合わせ、プラトーに仕立てるのも良いでしょう。チーズは若めの白カビタイプ(ブリーやカマンベール)や、軽やかな酸をもつシェーヴル。熟成の強いタイプよりも、ミルキーで穏やかなものを選ぶのがポイントです。

食後もグラスを手に、ゆっくりと泡が消えていく様子を眺める。その静かな時間まで含めて、このワインの楽しみと言えるでしょう。

ワイン1本で楽しむ、ご自宅フルコース

「酵母の泡 甲州SEC」は、主張しすぎることなく、前菜からデザートまでそれぞれの料理の個性に静かに寄り添いながら、食卓に心地よい一体感をもたらすワインです。忙しい毎日の中でも、食事の時間は大切にしたいもの。

特別な準備や手間をかけなくても、ワインと料理の組み合わせを少し意識するだけで、自宅での食事は時間の流れまでゆるやかに感じられる、豊かなひとときへと変わります。

日常の延長にありながら、肩の力を抜いて楽しむ、満ち足りたひととき。その中心に、この1本を置いてみてはいかがでしょうか。

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