コラム|ワインコンクールを知ってワイン選びをスマートに
ワインショップやECサイトでのワイン選びの際に目に入る「ワインコンクール金賞」の文字。「なんだか良さそうに思えるけれど、実際の所どういった味なんだろう?」「色々なコンクールがあるけれど、どういった審査基準なの?」と思ったことはありませんか。
今回は、ワイン上級者でも知る人ぞ知るワインコンクールについて紐解いていきます。普段のワイン選びでよく見かける「日本ワインコンクール」を例に、コンクール受賞はワインの味わいや品質とどう関係するのか、誰がどうやって受賞ワインを選んでいるのかを見ていきましょう。
「日本ワインコンクール」とは|ワインコンクール金賞の栄誉
日本ワインコンクールは2003年に初めて開催され、2026年で22回目を迎える、日本ワインを対象にした国内最大級のワインコンクールです。
主催は日本ワインコンクール実行委員会で、日本ワイナリー協会・日本ソムリエ協会・国内ワイン産地のワイン協会・ワイン研究機関などで構成されています。
日本ワインコンクールは毎年7月に開催され、国産ぶどう100%・国内醸造のワインのみが審査対象となります。
甲州やマスカット・ベーリーAなど日本固有品種も対象に含まれます。実はソラリス栽培・醸造責任者の西畑徹平が初めてソラリスの虜になったのも、第1回コンクールの受賞ワイン試飲会でした。
日本ワインコンクールの仕組みとは?
ここでは、日本ワインコンクールの具体的な仕組みを解説します。
基本的な仕組み
審査対象は「ワイナリーが応募したワイン」のみです。市場のワイン全てが対象ではなく、ワイナリーが本気で審査を望んだものだけが審査されます。2025年は860点が応募されました。
ワインの審査
2025年の審査員は30名。日本人・外国人を含む、テイスティングの訓練を受けたワインの専門家(研究者・教授・エノログ・ソムリエ・ジャーナリスト・国税庁専門家など)が担います。その中には国際資格のマスター・オブ・ワイン保持者や、ボルドー大学のワイン学部長なども含まれています。
審査はワインの銘柄、生産者が伏せられたブラインド・テイスティングによる官能審査です。以下の基準に従って100点満点で採点されます。
審査員の嗜好や主観が影響するのではないかと思われがちですが、前年の受賞ワインの点数をテイスティングで確認して、審査員間のレベル合わせを行うなど、客観的評価が可能なように工夫されています。
| 項目 | 評価内容 |
|---|---|
| 視覚 | 清澄度・外観・発泡性(スパークリング) |
| 香り | 健全性・強度・香の質 |
| 味わい | 健全性・強度・持続性・味の質 |
| ハーモニー | 総合評価 |
受賞ワインの選定は、ワインの獲得点数によって行われます。スポーツ競技などと異なり規定の点数に達すれば複数であってもメダルが得られる仕組みです。日本ワインコンクールの具体的な基準の例を見てみましょう。
| メダル | 得点数 | 応募数中の比率 |
|---|---|---|
| グランドゴールド賞 | 92点以上 | 1% |
| 金賞 | 85点以上92点未満 | 3~5%相当 |
| 銀賞 | 82点以上85点未満 | 10~15%相当 |
| 銅賞 | 80点以上82点未満 | – |
*受賞ワイン総数は応募数の40%を超えないものとする
2025年の例では、金賞ワインは31本で、受賞ワインの合計は342本です。
この数字を見て、受賞ワインの数が多いなと感じる方がいるかもしれません。赤・白・泡などのワインのタイプによって、応募カテゴリーが細かく分かれているのが理由の一つです。2026年の日本ワインコンクールの場合、12カテゴリーが設定されています。
例えば、赤ワイン・白ワインの違いと、欧州系の品種・北米系の品種・日本で交配された品種・日本の在来種(甲州)というぶどう品種の組み合わせ、それに極甘口・ロゼ・オレンジ・スパークリングという製造方法のタイプなど適切なカテゴリーで応募ができるようになっているのです。
ワインコンクールの意義
コンクールで受賞したワインを選ぶ意義は、専門家のお墨付きがあることです。テイスティングの訓練を受けた専門家の客観的な評価であるため、信頼が高まるでしょう。
各ワイナリーが自信のあるワインを出品するため、相対的にプレミアムワインの応募・受賞が多くなる点が挙げられます。プレミアムワインを買うときにコンクールで受賞していれば、高価格帯であっても安心して買うことができるかもしれません。
マンズワインのコンクールでの評価
マンズワインのワインも、例年日本ワインコンクールで受賞しています。ここでは2025年の受賞ワインを少しだけご紹介します。
ソラリス 山梨 マスカット・ベーリーA 2023|国内改良等品種・赤カテゴリー 金賞

日本ワインコンクールでは、日本で交配された品種のワインの評価を行うのが特徴のひとつです。このワインは山梨県甲斐市の自社管理畑のマスカット・ベーリーAで造っており、豊かなベリー系の果実香、複雑で凝縮感のある味わいが特徴です。
ソラリス 千曲川 信濃リースリング クリオ・エクストラクション 2023|極甘口カテゴリー 金賞

日本ワインコンクールにはデザートワインと言われる極甘口のカテゴリーもあります。このワインはマンズワインが生み出した独自交配品種の信濃リースリングで造られたワイン。「クリオ・エクストラクション」は収穫したぶどうを凍らせてから溶けてくるところを搾る製法で、濃密かつフレッシュな味わい、長い余韻が魅力の極甘口ワインです。
山梨 甲州 2024|甲州カテゴリー 銀賞&コストパフォーマンス賞

日本ワインコンクールにはユニークなカテゴリーとしてコストパフォーマンス賞があります。2,000円未満の価格で銀賞以上の評価を受けたワインに与えられる、品質と価格に優れたお買い得なワインの賞です。このワインは山梨県内で収穫された高品質なぶどうを厳選した、GI Yamanashiシリーズのひとつで、1,980円の普段使いできる白ワインです。
その他の2025年の受賞ワインについて、詳しくは下記のページをご覧ください。
受賞したワインについて覚えておくべき注意点
受賞ワインは必ずしも万能ではありません。ワイン選びの際に覚えておいた方がいいこともあります。ワインはもともと嗜好品であり、ワインコンクールは「個人の嗜好」は評価基準ではありません。つまり、受賞ワインだからといって必ず好みに合うとは限らないのです。
コンクールでの評価は、審査した時点でのものでしかない点に注意を払う必要があります。特にプレミアムワインであれば、買った後数年間セラーで熟成することがあります。ワインコンクールは、数年後に抜栓したそのワインの味わいを保証するものではないのです。
ワインコンクールでプレミアムワインの応募が多いことは、一方で相対的に普段使いのワインの応募・受賞数が少ないということにもなります。しかし、日常で飲むワインこそ本当においしいワインを選びたいものです。例えばコストパフォーマンス賞のような品質と価格に優れた受賞ワインを見つけたら、試してみる価値があるでしょう。
まとめ|ワイン選びでワインコンクールを使いこなす
ワインコンクールはワインの専門家による中立な評価です。その意味を知って使えば役に立つものであるといえます。しかし逆に、飲んだことのないワインに関しては、好みに合うかどうかは未知数です。ワインコンクールの評価は参考程度にしておくのが良いかもしれません。
特別な日のためのプレミアムなワイン選びに際しては、ワインコンクール受賞ワインがあれば安心して買えるはずです。普段使いの価格帯のワインでは、ワインコンクール受賞ワインを見つけたら、一度テイスティングも兼ねて試してみるのも良いのではないでしょうか。
次にワインを買う機会が訪れた時、是非ワインコンクールの知識をもとに、ぜひワイン選びを楽しんでもらえればと思います。
*日本ワインコンクールの詳細
2026年応募要項:https://www.pref.yamanashi.jp/jwine/2026fol/youkou.pdf
2025年審査員:https://www.pref.yamanashi.jp/jwine/2025fol/judge2025.pdf
2025年審査結果:https://www.pref.yamanashi.jp/jwine/2025fol/25prize.html