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マンズワイン

INTERVIEW Vol.4

小諸ワイナリー 栽培管理者

邑田 明

栽培に正解はなく、永遠に勉強、ひとつひとつ挑戦、
やったことの答えは、ぶどうの樹が教えてくれる

東山は入社以来
ともに歩んできた畑

私は、マンズワインの畑がある上田市の出身なんです。実家は専業農家でリンゴを作っています。長野県農業大学校在学中に、マンズワインの栽培課が栽培を担う人材を募集していたので、入社試験を受け、1995年に入社しました。ちょうどその前年、マンズワインは上田市塩田平東山地区でカベルネ・ソーヴィニヨンの植付を開始したばかりでした。私は上田で生まれ育ち、東山のぶどうと同じ歩みで社歴を重ねているんです。東山のカベルネは初生りの時点で「この土地は良いものができるぞ」という手ごたえがあり、2008年には隣接する土地に新たに自社管理畑を広げました。その圃場では苗木の植付はもちろん、垣根の設計などもやらせてもらったので、その区画はさらに思い入れが強いですね。

まわりに支えられ、教えられ
ワインがどんどん好きになった

実は私はワインが最初から好きで入社した訳ではないんです。当時、栽培課には3人の上司がいて、新人の私に栽培の技術をしっかり教えてくれました。入社後4年ほどは毎年秋に勝沼ワイナリーで仕込みの経験もさせてもらいました。そしてなんといっても西畑との出会いですね。フランスで学んできた最新技術はもちろん、彼のワインに対する情熱が、良いワインを造るためにはどんなぶどうを作ればよいのかを教えてくれました。栽培の過程でやれる最大限のことをして、健全なぶどうを最高の状態で仕込みに渡したい。西畑が選果台で見てると思うと油断できないですよ。私のほうが年上なので強くは言わないですが、無言の圧力を感じます(笑)。そんな彼と一緒にワインを造れることがとても楽しいです。

マンズワインのオリジナル品種で
本当においしい日本ワインを

東山の畑では新しい品種も植え始めています。私が西畑に「植えてみたい」と相談したら「やりたいという人が育てれば、悪いぶどうにはならない」と、応援してくれて。自社管理畑が増えたことで、こうした新たな挑戦もできる環境に今はあります。栽培のチャレンジは1年に1回。正解はないし、毎日が勉強です。自分がやってきたことの答えは、樹に教えてもらうしかない。1年を通してどうだったかを反省し、次に生かす、その繰り返しです。マンズワインには先輩研究陣が独自に交配してつくったオリジナル品種もいくつかあります。私は「信濃リースリング」が特に好きです。香りも良くしっかりとした味わいで、とても魅力的なぶどうです。「浅間メルロー」も、昨年初めて東山に植えたので楽しみです。食べておいしいぶどうを作りたい。「食べたい!」と思えるぶどうじゃなければ、本当においしいワインは造れないと思っています。マンズワインのオリジナル品種で、より多くの人に「おいしい」と言われるワインを造れるよう、良いぶどうを育てていきたい。海外から日本に来た人に、日本にしかないぶどうで造ったワインを飲んでほしい。マンズワインを飲んでくれるお客様と、これからもっと直接お話しできる機会を持ちたいと考えています。

プロフィール

邑田 明(むらた あきら)

マンズワイン株式会社 小諸ワイナリー 製造グループ 主査。1995年マンズワイン株式会社入社。小諸ワイナリーの栽培担当として、小諸市、上田市の栽培管理に携わる。95~99年までは9、10月は勝沼ワイナリーにて仕込みを経験、その知見を栽培技術の向上に生かす。現在は小諸ワイナリーの栽培管理者として従事。