INTERVIEW Vol.2

栽培・醸造課長 西畑徹平

ぶどうの樹齢だけは絶対に追い付けない
35年前にシャルドネを植えてくれた人への感謝しかない

ぶどうの樹齢だけは絶対に追い付けない
35年前にシャルドネを
植えてくれた人への感謝しかない

学生時代に出会った「ソラリス」
その造り手を目指しマンズワインへ

僕は、学生時代、ソラリスに出会っているんです。山梨大学で応用化学を専攻していて、4年で研究室を選ぶときに「ワイン科学研究センター」を選択。大学院生のときに、国産ワインコンクールの公開テイスティングというものがあると知って、同期と2人で参加したんです。センターで研究を始めるまではアルコールをそれほど好んで飲んではおらず、ソラリスもマンズワインのことも知りませんでした。その会場で他のワイナリーのワインもいろいろテイスティングした中で、ソラリスが一番印象的で忘れられなかった。それで本当に、今ソラリスを造らせてもらっている僕が言うと嘘みたいに聞こえるかもしれないんですが、ソラリスが造りたくてマンズワインを志望しました。

勝沼で「酵母の泡」の開発に参加し
ついに「ソラリス」のふるさと小諸へ

入社後は勝沼で製造現場を経験、リキュールや調理用ワインなどの開発からのスタートでしたが、新しいものを造るのは楽しかった。現場の先輩方には「また西畑が来たよ」、「次はなにが造りたいんだ?」なんていじられてましたけど(笑)。ある時、研究開発部長が発泡性ワインの試験に使っていた小さいタンクを、僕が使いたくて「空けていいですか?」と。開けてみたら泡がすごくきれいで「これいいね」ということになり、もう一回最初から試験をさせてもらえることになりました。それが2008年に「酵母の泡」としてラベルを貼って商品になったときはうれしかったですね。その後、小諸ワイナリーで念願のソラリスの醸造を島崎さんの元で3年経験し、フランス研修に行くことになりました。

日本ワインの質を極め、文化を深め、
他の造り手とともに日本の銘醸地を目指して

フランスには3年半、ブルゴーニュとボルドー、両方で学べたことはとてもよかったです。自分たちももっと努力しなければ銘醸地にはなれないと実感しました。畑仕事は手間暇でしかなく、醸造は掃除、どちらも地道で根気の要る作業です。でも後悔はしたくない、今できることは全部やりたい。2018年秋、シャルドネの収穫日に、明らかに1週間待ったほうがよい区画があったんです。1軒の契約農家さんだけにそれを強いると不公平になってしまう。ところが「やってみるってもんじゃないか」と言ってくれ、うれしかったですね。小諸の契約農園のぶどうはほぼ樹齢30年を超えています。ワイナリー圃場のシャルドネに至っては35年以上。この時間は絶対に追い付くことのできないマンズワインのアドバンテージ。植えてくれた方、育て続けてくれている方たちに感謝しかありません。ソラリスが誕生した2001年は長野県東信地域にはまだマンズワインしかなかった。良いぶどうが穫れることがわかりワイナリーが増えたことで、地域が盛り上がり産地になれる。我々も次世代のために新しい品種を植え始めています。ワイン造りにベストはなく、毎年良くするための努力を積み重ねていくのみです。日本のワインの歴史はまだまだ浅い。ほかの造り手と一緒にトライしながら、日本ワインの文化を深めていけたらと思っています。

PROFILE

西畑徹平(にしはた てっぺい)

マンズワイン株式会社 小諸ワイナリー 栽培・醸造課長。2005年マンズワイン株式会社入社。ブルゴーニュ、ボーヌの醸造学校CFPPAでブドウ栽培者国家資格、ボルドー大学栽培醸造学部でワイン醸造士国家資格を取得。現在、マンズワイン小諸ワイナリーにて「ソラリス」の醸造を担当、2018年よりソラリス醸造責任者となる。