木が香り、火で薫る。
季節を大切にし、
素材本来の味を生かす日本料理、
その盛り付け、そして供される
ひとときや空間。
そこに美を見出した
この国の感性を、
ワイン造りへと注ぐ。
川上善兵衛が生み出した葡萄を
熟成と炙った杉板によって、
醤油や味醂を使う
日本料理に合う赤ワインに
仕上げました。
かつてない「和のワイン」を求めて。
日本料理の食・空間・ひとときのしつらえにふさわしい究極のワインを。その想いを実現した白ワインの「しふく」に続く赤ワイン造りに挑み、炙った杉がほのかに香るワインが生まれました。料理人でありシニアソムリエの資格を持つ、京料理 木乃婦の三代目主人 髙橋拓児氏の監修により、なんども試行錯誤を重ね、日本料理と相性のよい杉に着想を得てつくられました。香る紫を意味する「香紫(こうし)」は、このワインを象徴する杉に包まれた柔らかな熟成香と紫檀の色合いから、また、このワインと相性がよく日本料理には欠かせない醤油が「むらさき」とも呼ばれることにちなんで名付けました。
「日本の味」に寄り添う。
赤ワインはその特性から、日本料理の素材を生かした繊細な味わいと合わせるのは難しいと言われています。数ある赤ワイン用の葡萄の中から度重なる検討を重ね、日本で生み出された品種を用いることになりました。この葡萄は渋みや酸味が控えめで繊細な味わいが特徴です。一方で特有の果実香は、強く出し過ぎると日本料理との相性を妨げることが課題となり、葡萄の品種が決まってからも、時間をかけて日本料理の味に寄り添うための試行錯誤が続くことになりました。
杉板を炙る。
杉は日本料理との相性がよく、食材に杉の香りを移す杉板焼きのように古くから調理に用いられてきました。また、赤杉を用いた利休箸や、杉木地の八寸など、和の料理の演出に欠かせない素材です。火で丁寧に炙った杉板と共に熟成させて特有の甘い香りをそぎ落とし、さらに熟成香をまとわせることで、醤油や味醂などを用いた日本料理との親和性を増した赤ワインに仕上がりました。
年輪のような深み。
木に育まれ、木の香りをまとい、木の恩恵を受けたワインは年輪のような丸みや厚みを増し、鰆のつけ焼きや鴨の味噌焼きなどにとても合います。ラベルデザインは日本料理の象徴でもある醤油の波紋を表現しつつ、木の樽や年輪を彷彿するようなモチーフをあしらいました。墨色の中に重なる紫色の滲みは、香りや味わいの広がりや余韻を表現しています。
自然の力を借りて自然と融合する日本の食文化の発想をもとに、木に抱かれ育まれた「香紫」。日本固有品種の葡萄の特徴を活かしつつ深みを増し、日本杉の香りをまとった一杯を、日本料理とともにぜひお楽しみください。